マイホームが火災にあったらどうする!?罹災証明書の発行により受けられる支援と再建

災害大国日本。日本には四季があり美しい自然を持っている一方で、海外の国と比べて台風・地震・噴火・洪水など自然災害が発生しやすくその被害も大きなものとなっています。地形や気候、さまざまな要因が絡み自然災害が発生します。この日本に住み続けている限り、自然災害は避けることができないのです。

自然災害や火災の被害を受けた後、火災保険を使ったり被災者支援を受けたりするのに罹災証明書の提出が必要となる場合があります。罹災証明書とはどのようなものか、どこで発行されるものなのかなど罹災証明書に関する基礎知識を紹介します。

罹災証明書とは

罹災証明書とは火災や地震、自然災害などの災害が発生した際、被害を受けた家屋・土地・建物に関する書類のことを指します。
被災者の申請により各市区町村が家屋などの被害の状況を調査して、「全壊」「大規模半壊」「半壊」などの被害の程度の認定を行います。
災害対策基本法により、市町村長は災害が発生した場合に、被災者から申請があったときは遅滞なく住家やその他種類の被害の状況を調査して罹災証明書を交付しなければならないとされています。
この証明書は、災害が発生した際に保険請求や補助金申請、税制優遇措置の適用など、様々な目的で使用されます。

罹災証明書に含まれる情報

被害情報の記載

災害の発生日時や場所、被害の程度や種類に関する情報が含まれます。
発生日時は具体的な日付と時刻が示され、場所は住所や地理的な情報で詳細に記述されます。
これにより、いつでどこで災害が発生したかが明確になります。

所有者情報

被害を受けた土地や建物の所有者の情報が記載されます。罹災証明書には、土地や建物の所有者の正確な氏名が記載されます。
また、所有者の住所情報も証明書に含まれます。

評価額

罹災証明書には、災害による被害の評価額が記載されます。
被害の評価額や修復に必要な費用の見積もりが含まれることがあり、こちらの記載は保険請求や補助金申請に役立ちます。

罹災証明書の発行機関

通常、市町村役場や災害対策本部などの公的機関が罹災証明書を発行します。
この発行機関が証明書の信頼性を表しています。

証明書の発行日

罹災証明書には発行日が記載され、特定の期間内に有効です。申請期限は災害発生から1年以内です。

罹災証明書はどこで発行される?

被災者は災害が発生した地域の該当する公的機関に対して申請を行い、罹災証明書を取得することができます。
証明書の発行手続きに関する詳細は、地域によって異なる場合がありますので、被災した場合は行政機関に相談し、必要な手続きを確認することが重要です。また、ウェブサイトからダウンロードできる自治体もありますので、調べてみましょう。

市町村役場

基本的に災害が発生した地域の市町村役場が、罹災証明書を発行します。
被災者は災害が発生した地域の市町村役場に申請を行い、罹災証明書を取得します。
市町村役場は地域の災害対策を担当し、証明書の発行もその一環の業務として行われます。

災害対策本部

大規模な災害が発生した場合、地方自治体の災害対策本部が設置されることがあります。
これらの本部も罹災証明書の発行を行います。災害対策本部は、被災地域での緊急対応や情報提供を担当します。

消防署

火災などの火災罹災証明書は通常、消防署で発行されます。
火災に関する罹災証明書は、火災被害の証拠として使用されることがあります。

警察署

罹災証明書は、時に警察署でも発行されます。
特に、犯罪や事故による被害の場合、警察署が罹災証明書を提供することがあります。

申請から交付までの流れ

▼被害状況がわかる写真を撮る

警察や消防の現場検証が終わってから撮影をします。
被害の状況がわかるように複数からできるだけ細かく撮影しておくとよいでしょう。
被害状況が分かる写真は罹災証明書の申請のほか、火災保険の請求にも必要となってくるので複数枚用意しておくとよいでしょう。

▼各自治体に申請する

火災の場合は消防署に、自然災害の場合は自治体に罹災証明書の発行の申請を行いましょう。
申請には、本人確認書類・被害箇所がわかる写真が必要になります。
また、罹災証明書交付申請書については消防署・各自治体にて用意してくれる場合がほとんどです。気になる方は事前に問い合わせておきましょう。

▼被害状況の調査

国が定めた調査方法によって委嘱を受けた調査員(通常は建築士)が調査を行います。
大規模な災害や広範囲の火災の場合は調査が行われるまでに時間がかかる場合があります。

▼被害の認定

調査の結果によって「全壊」「大規模半壊」「半壊」などの被害の程度が認定されます。
被害を受けた事実を確認できないと被害の認定がされなかったり軽い区分での認定となったりします。
被災後の写真があればそれをもとに認定が行われることもあるので、被害状況がわかる写真が重要になります。

▼罹災証明書の交付

被害の程度の認定に基づいて罹災証明書の発行・交付が行われます。

罹災証明書の発行により受けられる支援と再建

罹災証明書を発行するのにあたり、どのような支援が市区町村や国から受けられるのか、代表的なものを解説します。

公的支援について

・被害にあった家屋や土地の固定資産税や国民健康保険料が、一時的に減免または猶予される可能性があります。

・公的書類の手数料が無料になります

・仮設住宅や公営住宅への入居が優先的に認められます

・災害復興住宅融資が受けられます(被害の程度や世帯人数や所得の程度によって金利や融資額が異なります)

民間支援

・金融機関が、有利な条件で融資を行ってくれる場合があります

・私立学校などの授業料減免の可能性があります

・災害保険の保険金を受給することができます

ここまで見てきて分かるように、火災に遭った場合の行政の支援策は様々なものがあります。
しかし、罹災証明書が発行されれば、自動的に支援が受けられるというものではありません。
自分で情報を得て、期限内に自分で申請をする必要がある申請主義が原則です。
疑問や不安に思っていることは、市町村の生活安全担当部署に遠慮なく相談しましょう。
また、被災した人が高齢者や障がい者の場合は、地域の民生委員にも相談しておくと安心です。

罹災証明書と類似の証明書

罹災届出証明書

罹災証明書はすぐに発行されるわけではありません。最低でも調査から1週間、場合によっては1カ月以上かかることもあります。
急を要する場合もあるでしょう。そのようなときのために、罹災届出証明書というものがあります。
これは、罹災証明書を申請しましたということを証明するもので、申請すれば即日発行されるものです。
この証明書があることで、各支援が受けられる可能性が高まります。なお、この証明書は無料で発行されます。

被災証明書

また、家屋だけでなく、家財などにも損失があったことを証明しなければならない場合があるかもしれません。
そのような時は被災証明書というものがあります。
これは、家屋以外の、家財、店舗、工場などが、「被害を受けたかどうか」を証明するものです。
罹災証明書と異なり、どの程度の被害であったかを認定するものではないので、即日発行されます。
各自治体によって判断基準が異なったり、そもそも被災証明書というものが存在しない自治体もありますので、お住まいの自治体に問い合わせましょう。

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