不動産の売却を検討する際に、多くの方が「仲介による売却」だけをイメージしがちです。しかし、実際には「買取」や「リースバック」といった他の選択肢もあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、ご自身の状況に応じて最適な手法を選ぶことが重要です。ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説し、比較検討のポイントをご紹介します。

持ち家を売却したいと思った時の3つの選択肢
持ち家の売却方法には主に「仲介」「買取」「リースバック」の3つの選択肢があります。
リース契約を結び家に住み続ける
仲介とは
「仲介」とは、不動産会社が売主と買主の間に立ち、売買契約の成立をサポートする売却方法です。売主は市場に物件を公開し、購入希望者を探します。売却価格は市場価格に近くなる可能性が高く、納得のいく金額で売却できる一方、売れるまでに時間がかかることや内覧対応などの手間が発生します。また、仲介手数料が必要となります。
買取とは
不動産会社が直接、物件を買い取る方式です。仲介とは異なり、買主を探す必要がなく、短期間で現金化できるのが特徴です。価格は相場よりも低くなる傾向がありますが、手間をかけずに迅速に売却したい方には適した選択肢です。
リースバックとは
物件を売却した後も、その物件に住み続けられる仕組みです。売却先の不動産会社と賃貸契約を結び、家賃を支払うことで現在の生活を維持できます。住み慣れた家を手放すことなく、資金を調達したい場合に有効な方法です。
住み続けながら物件を売却できるリースバック
リースバックの最大の魅力は、「住みながら売却できる」点です。高齢のご夫婦や住宅ローンの支払いが厳しい家庭などが、生活の拠点を変えることなく資金を得られるため、ライフスタイルを維持したまま柔軟な資金計画を立てることが可能です。
リースバックとリバースモーゲージとの違い
リースバックと混同されがちな制度に「リバースモーゲージ」があります。リバースモーゲージとは、自宅を担保にした融資制度の一種。自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保する仕組みで、所有権は維持されます。一方、リースバックでは所有権が買主に移り、賃貸契約として住み続ける形です。資金調達方法や契約形態、将来的な住まいの選択肢に大きな違いがあります。
物件を売却するならどっち?リースバック・不動産売却(仲介)・買取の比較
売却までの期間
不動産を売却する際、現金化までのスピードは非常に重要な要素です。
「いつまでに資金が必要か」によって、選ぶべき売却方法は変わってきます。
リースバックは、売却から資金化までのスピードが早く、査定・契約・引き渡しまでがスムーズに進むのが特長です。現金化が可能なため、急ぎの資金調達にも対応しやすい方法です。
仲介売却は、買主を探すところからスタートするため、売却完了までに3〜6ヶ月、場合によっては半年以上かかることもあります。スピードは劣るものの、高値で売却できる可能性が高いため、時間に余裕がある方に適しています。
買取は、不動産会社が直接買い取る形式のため、売却までの期間が非常に短いのが魅力です。最短数日での現金化が可能で、「とにかく早く手放したい」という方に最適な選択肢です。

売却金額
売却方法によって、不動産の売却金額には大きな違いが生まれます。
「少しでも高く売りたいのか」「早く売りたいのか」によって、重視すべきポイントも変わってきます。
リースバックは、売却後もそのまま住み続けられるというメリットがある一方で、売却価格は相場より10〜20%程度低くなることが一般的です。買主側が賃貸リスクを背負うため、価格はやや控えめに設定される傾向にあります。
仲介売却は、市場価格を基準に売却できるため、3つの中でもっとも高値で売れる可能性がある手法です。タイミングや物件の状態、販売戦略によっては、相場以上で売れるケースも珍しくありません。価格重視の方には最適な選択肢です。
買取は、スピード優先で不動産会社が直接買い取る方式のため、価格は市場価格の70~90%程度に抑えられます。確実かつ短期間での売却が可能な一方、売却金額においては一定の妥協が必要です。
仲介手数料
不動産売却にかかるコストの中でも、「仲介手数料」は方法によって大きく異なります。
費用を抑えたい方にとって、売却手段の選び方は重要なポイントになります。
リースバックは、一般的に買取会社と直接取引を行うため、仲介業者を介しません。そのため、仲介手数料は発生せず、初期費用を抑えたい方にはメリットのある選択です。
仲介売却では、不動産会社が買主を探してくれる代わりに、売却価格の「3%+6万円(+消費税)」の仲介手数料が発生します。これは法律で定められた上限ですが、基本的に費用は避けられず、成功報酬として売買成立時に支払う形となります。
買取もリースバックと同様、業者との直接取引となるため、仲介手数料はかかりません。費用を抑えてスピーディーに売却したい方には、合理的な手段です。
売却後の住まい
不動産を売却した後、「そのまま住み続けられるかどうか」は、多くの方にとって大きな関心事です。住み慣れた環境を離れたくない方や、急な引っ越しが難しい方にとっては、売却方法の選択がその後の生活に直結します。
リースバックは、売却後もその家に住み続けられることが最大の特徴です。買主と賃貸契約を結ぶことで、引っ越すことなく生活環境を維持しながら資金化が可能です。家族の事情や高齢の方にもやさしい選択肢です。
仲介売却では、買主に物件を引き渡すのが基本のため、売却後は原則退去が必要になります。ただし、買主の了承が得られれば、一定期間賃貸として住み続けたり、引き渡し時期を調整することも可能です。柔軟な交渉次第で対応できるケースもあります。
買取の場合も基本的には退去が前提となりますが、買取業者の方針や売主との交渉内容によっては、一定期間の居住を許可されるケースもあります。とはいえ、長期間の居住継続は難しいため、早めの住み替え準備が必要です。
周囲へ知られるリスク
不動産売却にあたり、「近所に知られたくない」「できるだけ目立たずに売却したい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。各売却方法には、売却の事実が周囲に伝わるリスクに違いがあります。
リースバックは、売却後もそのまま同じ家に住み続けられるため、見た目には一切の変化がありません。そのため、ご近所や知人に売却したことが知られる可能性はほとんどなく、プライバシーを重視する方には非常に適した方法です。
仲介売却では、販売活動の一環としてチラシの配布や不動産ポータルサイトへの掲載、内覧対応などを行う必要があるため、周囲に売却していることが伝わる可能性があります。近隣との関係性を大切にされている方は、事前にリスクを理解しておくことが重要です。
買取は、広告や内覧が不要なため、静かに売却を進めることができます。売却の事実が外部に知られることはほとんどなく、周囲に気づかれずに不動産を手放したいという方にも向いています。
買い戻し
不動産を売却したあと、「将来的にもう一度自宅を買い戻したい」という希望をお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、売却方法によってはそれが難しい場合もあります。買い戻しの可否は、売却時の契約条件や相手方の意向によって大きく左右されます。
リースバックは、唯一「買い戻しの可能性がある」売却方法です。契約内容によっては、一定期間内にあらかじめ決められた価格や条件で自宅を買い戻せるプランが用意されている場合があります。将来的に資金的な回復が見込まれている方にとっては、大きなメリットです。
仲介売却は、通常の不動産取引のため、いったん買主に所有権が移った物件を買い戻すのは原則として不可能です。特別な契約や合意がない限り、再取得は非常に難しく、現実的ではありません。
買取も同様に、一度売却した不動産を買い戻すことは基本的にできません。買取業者は取得後に再販や再利用を目的とするため、売主が再度所有権を取得することはほぼ不可能です。
リースバックのメリット
仮住まいのコストが不要に
リースバックの最大の魅力のひとつが、売却後もそのまま同じ住まいに住み続けられる点です。通常の売却では、契約後に退去する必要があり、仮住まいや引っ越し先の手配、荷造りや移動費用など、精神的・経済的に大きな負担がかかります。しかし、リースバックであれば、生活の基盤を維持したまま資金だけを確保できるため、家族の生活環境や子どもの通学、高齢者の健康維持などにも支障をきたすことがありません。特に、急な売却が必要になった際や、住み慣れた地域から離れたくない方には最適な手段といえるでしょう。
住宅ローンの返済が難しくても住み続けられる
住宅ローンの支払いが家計を圧迫している場合、支払いの滞納や差し押さえといった深刻な事態を回避する方法として、リースバックは有効です。住宅を売却することでローン残債を完済し、金融機関からのプレッシャーから解放されると同時に、リース契約を通じて現在の住居に住み続けることが可能となります。この方法により、生活のリズムを維持しながら経済的な再スタートを切ることができます。住宅ローン破綻を回避し、家族の生活を守る手段として、リースバックは非常に現実的な選択肢です。
物件の資産価値を自由に使うことができる
自宅という大きな資産を、現金という流動性の高い形に変えることで、その資金をさまざまな目的に活用できるのがリースバックの大きなメリットです。老後資金の確保、事業資金の捻出、子どもの教育資金など、ライフステージに応じて柔軟に対応できます。また、所有し続けているだけでは使えなかった資産を、生活の質を高めるための原資として有効活用できるため、単なる不動産売却以上の価値を見出せる方法といえるでしょう。自宅を「使える資産」として最大限に活用する考え方が、リースバックにはあります。

リースバックのデメリット
家賃がかかる
リースバック後は、不動産を売却した後にそのまま住み続ける代わりに、所有者である不動産会社に対して家賃を支払う必要があります。これまではローンが終われば家賃が不要という将来が見えていた場合でも、リースバックを選ぶと永続的に住居費が発生することになります。家賃相場は地域や契約条件によって異なりますが、予算内で収まるかどうか、長期的な支払い継続が可能か、事前にしっかりと確認する必要があります。毎月の支出が増えることで、将来的な生活設計にも影響を与える可能性があります。
買戻し金額が高くなる
リースバック契約において、将来的にその物件を買い戻す選択肢が用意されていることがありますが、買戻し価格は売却時の価格よりも高く設定されるケースが一般的です。不動産会社側が将来的な価値上昇や保有コストを考慮して価格を決定するため、結果的に当初の売却額よりも割高になってしまうのです。そのため、将来に買戻しを検討している場合は、あらかじめ契約書に明記された価格条件をよく確認し、資金計画を立てておくことが重要です。再取得を見越す場合は、慎重な判断が求められます。
契約期間に制限がある
リースバックで住み続けられる期間には、契約上の制限があります。一般的には2年~5年の定期借家契約が多く、契約更新が必ずしも保証されているわけではありません。契約満了後に退去を求められる可能性もあり、将来の住まいについて新たな計画が必要になることもあります。また、更新時の家賃の上昇や契約内容の変更が発生するリスクもあるため、長期的に安心して住み続けたい場合には、契約内容を十分に確認する必要があります。安定した住まいの確保には慎重な検討が不可欠です。
家の所有権がなくなる
リースバックは不動産を売却することで資金を得る方法であるため、売却完了と同時にその物件の所有権は不動産会社へ移ります。これにより、将来的に資産として相続したり、担保として活用したりすることはできなくなります。また、住宅としての自由度も制限される場合があり、大規模なリフォームなどを行う際には所有者の許可が必要となることもあります。自宅を単なる住まいではなく、資産として保持したいという考えが強い方には、所有権を手放すリースバックはデメリットと感じられるでしょう。

まとめ
不動産の売却方法には「仲介」「買取」「リースバック」といった複数の選択肢が存在し、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあります。高値での売却を希望するなら時間をかけた仲介、スピーディーに現金化したいなら買取、そして住み続けながら資金を得たい方にはリースバックが適しています。特にリースバックは、住宅ローンの返済が困難になった方や、老後資金・事業資金などまとまった資金が必要な方にとって有効な手段です。引っ越しの手間がなく、生活環境を変えずに資金を確保できる点は大きな魅力といえるでしょう。ただし、家賃の支払いや所有権の喪失、契約期間の制限といったリスクも伴うため、事前の契約内容の確認や将来の計画が重要です。
不動産の売却は人生の中でも大きな決断のひとつです。自身や家族のライフスタイル、資金状況、今後の見通しを踏まえ、信頼できる専門家と相談しながら、後悔のない選択をすることが何よりも大切です。
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物件の広さや間取り、築年数などに加え、自宅周りの環境、設備だけでなく、所有権、抵当権、賃借権、地上権、地役権、建築基準法、都市計画法なども調査した上で査定にすすみます。
査定が終わり、契約締結、売買の成立となります。